2011年10月12日水曜日

古本探検隊 3

とりあえず、笹井の車に乗り込む。
日産パルサーである。
懐かしいと言うより、古めかしい。
ホイールが、柿本改だ。
シートに時代を感じる。
ダッシュボードに時代を感じる。
突然私小説の話になる。
「上林っておもろいか」
「まあな」
「ほんまか」
「さあな」
「どうやねん」
「尾崎一雄よりはおもろいよ」
「石原慎太郎と比べたらどうや」
「なんで都知事と比べんねん」
「お前、「弟」読んでへんのか、あれ私小説の傑作やろ」
「確かにね」
車の中の会話は押し切られた感じである。

続く

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